この度文化庁が進める、日本各地の豊かな自然風土や歴史に根差した多様な食文化の中から、特に歴史性のあるものを文化財として登録する取り組み『100年フード』に、牟岐町で出羽島の郷土料理『島そうめん』が認定されました。
部門は3つに分かれていて
①江戸時代から以前から伝わる「伝統」
②明治・大正から続く「近代」
③昭和以降に生まれ今後100年の継承を目指す「未来」
出羽島の『島そうめん』は今後100年の継承を目指す「未来」部門での認定となりました。
戦後間もないころの出羽島で生まれ今でも島民に親しまれている「島そうめん」。
「徳島県南部に位置する牟岐町出羽島は、漁業を生業の柱として栄えた伝統的な漁家の主屋が建ち並ぶ歴史的な漁村集落として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
島そうめんはこの出羽島において遅くとも戦前の頃から日常的・婚礼や船下ろしなどの祝いの席で提供される地域の郷土料理である。そうめんを皿に盛り付け、長ネギ、かまぼこ、錦糸卵を添えて飾り付ける。甘辛く煮付けた魚の煮汁を使用したつゆを入れた容器をそうめんの皿の中心に置く。魚は延縄漁などで獲られたレンコダイ(キダイ)を使用するのが主であり、そうめん、煮汁、煮魚が別容器で提供される。
水揚げされた魚を無駄にせず地域の限りある資源をとりこぼさず利用し、いただくという島民の姿勢から工夫されており、米不足によりそうめんが配給された戦後の食糧難の時代を乗り越えてきた素朴だが味わいのある料理である。
島民のたくましさを表象するものとして次世代へ伝え残したい。」
詳しくはこちらをご覧ください。